高齢化を受けて医師の需要が高まる一方
、医師の供給に関しては、うまくいっていません。
原因は様々ですが、医学部の定員の抑制、研修医の問題があります。
医学部の定員の抑制は、はっきり言って国の政策ミスです。これからは、医学部の定員が増えますが、医師を育てるのには10年かかります。
研修医が自由に研修先を選べることができるようになり、都市部に研修先を選ぶ研修医が多くなってしまいました。そのため、地方では研修医が不足しています。研修で地域に行けば良さもわかるのですが、そもそも交流する場所がないので、都会の若い研修医にとっては地方で医者になるということは抵抗があるようです。
こうした中で医師の供給不足により、病院が閉鎖したり、診療科が減少したり、病院利用者にとって不都合なことが起きています。医師を育てるには時間がかかり、残念ながら、医師不足はすぐに解決するような問題ではありません。大事なことは少ない医師をどのように確保するかということにあります。
松本市では、市内の病院の後任の院長探しに、市長自ら候補者が住む北海道に行き、医師をスカウトしました。このように、地域医療もトップセールスで対応するぐらいの意気込みがないとうまくいきません。企業誘致も大切ですが、医療も大切です。