①大規模改修
東海道新幹線は東京オリンピックの前年に作られました。すでに40年を経過し、各所で老朽化がみられます。常に点検はされておりますが、大規模なメンテナンスを行う時期に来ております。大規模なメンテナンスを行う際には、長期間新幹線を止めなければなりません。

老朽化が進む、新幹線(西谷駅付近)
②東海地震の発生のリスク88%
東海道新幹線が通る東海地方は大規模な地震が多発している地帯であり、東海地震が今後三十年以内に起こる可能性は88%という高確率です。そのため、予想震源域を避けて通る中央新幹線が必要です。
③空港のハブ化
2010年羽田空港に定期国際便が就航することになりましたが、ハブ空港としての役割を果たすには便数に限界があります。羽田空港でのメイン航路は羽田伊丹間の航路です。リニア開通によって羽田伊丹間を利用する人はリニアを使うことになり、便数に余裕ができます。アジアのハブ空港としての羽田が成立するためには中央新幹線の開通が必要になります。

成田空港
④新幹線ダイヤの過密化
主要駅ではラッシュ時には3分に一本走るなど、新幹線ダイヤは過密化しており、安定した輸送を確保するためにもバイバスである中央新幹線が必要とされています。また、今まで新幹線が止まる本数が少なかった駅では、本数の増加に伴い、利用者が増加することが予想されます。現状では、少ない駅ですと、昼間のダイヤで1時間に二本です。また、リニア開業後、神奈川県に新幹線の新駅が建設されることも検討されています。相模線が通る倉見駅が候補地になっています。詳しくは
こちらで(外部リンク)
⑤整備新幹線との比較
中央新幹線は整備新幹線に比べて、収益性が高く、JR東海の試算によると品川~名古屋間は新幹線の700円程度の料金の上乗せでペイできるとしています。国や地方自治体の負担もなく作ることができます。東京名古屋間の移動時間が90分から40分に短縮され、経済効果も期待できます。また、東海道新幹線も活用できるようになり、新幹線新駅の建設が可能になります。整備新幹線のケースで見みられるJR路線が第三セクターの管理になるという問題もなく、地元自治体は赤字路線の経営をする必要がありません。
⑤中間駅のJR東海による負担
以前は中間駅は地元負担でしたが、JR東海が中間駅の負担を行うことを表明しました。(2011年11月21日)
以下JR東海
中央新幹線の中間駅の負担について より抜粋
「具体的には、当社の費用負担により中間駅を建設することと致します。したがって、
地方自治体には、中央新幹線計画の推進のため、工事促進に不可欠な用地取得の斡旋をはじめとして、
行政サイドからの工事促進に関わる様々なご協力と、中央新幹線の効果を県全体の発展につなげる地域行政とし
ての自治体本来の役割をお願いする次第です。
当社がお客様のご利用に必要と判断する設備を備えた駅については、当社が建設費を負担して整備いたします。
ただし、当初、当社が期待していた想定と比べて、当社の負担が大幅に増加するため、
① 全般的に徹底した建設費の圧縮を行う
② 駅の設備内容としては、将来の旅客輸送のあり方を踏まえて、従来の形
にとらわれず、営業専任要員は配置しない等、運用面も含めて、大胆に効率性と機能性を徹底して追求した
コンパクトな駅を目指し、建設費ばかりでなく、開業後の運営費についても圧縮することと致します。」
以上です。
⑥実験線の延伸
2013年に実験線を42.8kmに延伸する工事が完成しました。42.8kmは品川~名古屋間(282km)の7分の1を上回ります。
