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区民会議改革ward meeting

相模原市の区民会議                  地域生活のページに戻

中央区       ・南区                 緑区  

区民会議とは市のHPより引用)

政令指定都市移行に伴い施行される区制の導入にあわせて、区の課題や区のまちづくりの方向性について協議を行う場として設置する附属機関(注)です。人数は各区25人以内です。

(注)附属機関とは
附属機関は、法律や条例に基づき設置されるもので、市民や専門家の意見を行政に反映させるため、審査や調査などを行う機関のことです。

・役割

区域内のまちづくりに関する以下のような事項について話し合ったり、提案したりします。

  • 市長より諮問される事項
  • 魅力や住みよさを高めること及び地域課題の解決
  • 地域活動団体等の活動支援や活性化
  • その他区民会議の目的達成に必要な事項

             

平成22年度の相模原市の区民会議運営経費の開催状況・決算状況        

   平成22年度  平成23年度  平成24年度
開催予定数 各区10回 各区10回  各区10回
実際の開催数 南区(7回)
中央区(6回)
緑区(7回)
南区(12回)
中央区(8回)
緑区(12回)
 
予算  1286万3000円 1272万8000円
(前年度比1%減)
 1155万7000円
(前年度比9.2%減)
決算
(実際の額) 
668万9284円  1027万9328円  
 差額 617万3716円
*参考
市が補助する
子ども会育成費
559万2432円
 244万8672円  
この表から約600万円の予算が使われなかったことになります。主な原因は開催回数の減少です。
実際に必要な額が削減されることは大変良いことだと思いますが、この予算が計上されたことで、できなかった事業も
あるはずです。約半分の予算を残した区民会議運営経費。普通でしたら、大きな減額がされるはずですが、平成23年度
予算では前年度ほぼ同額の1272万8000円の予算が計上されています。
平成23年度予算のうち、委員の報酬に係る費用は25人×予定回数9回×12600円×3区で850万5000円です。

区民会議の役割と他の政令市                    

市民と行政がともに街づくりを進めるために作られた市民の手によって運営される組織です。今まではなかなか住民の声がまちづくりに反映されにく状況でしたが、区民会議を作ることにより、市に対して具体的な提案を直接出すことが出来、住民にとってまちづくりが身近なものになります。

多くの区民会議の場合、区民会議の下に部会を作ってそれぞれの得意な分野、興味のある分野に分かれて、よりよい街づくりを市民の手で考えています。住民の手で住民の生活をよくするという地方自治の原点がここにあります。

横浜市の場合は区民会議のメンバーを100人程度公募しており、特色ある活動をしています。
横浜市青葉区民会議のホームページ

区民会議のメンバーは指定された団体の中から選ばれたり、公募で選ばれたりしています。報酬は無報酬のところが多いようです。その理由は総務省の調査会である地方制度調査会が「今後の地方自治制度のあり方に関する答申」で「地域協議会は、住民の主体的な参加を期待するものであることから、その構成員は、原則として無報酬とする。」と答申したことによります。人数は20程度といったところが多いようです。各地の市民会議ではホームページで活動内容を公開したり、会議のメンバーを募集したりしています。

これからの時代、国や地方はますます財政的に厳しい状態にあります。国や地方公共団体に頼っているだけではなく、住民の手で住民のことを決めることが重要になってきています。そうすれば、主体的に自分の住んでいる地域のことを考え、地域をよくしようという輪が広まります。

政令指定都市の区民会議と報酬(地域により名称が異なります)
 都市名 報酬 (一回当たり)  メンバー
 相模原市 12600円  公募、地域の代表、学識経験者 
 横浜市  無報酬  公募、地域の代表
 川崎市  8000円  公募、地域の代表
 さいたま市  1000円(交通費)  公募、地域の代表
 千葉市  クオカード2000円分  公募、地域の代表
浜松市   5000円  公募、地域の代表
 静岡市  8000円  公募、地域の代表
 名古屋市  無報酬  公募、地域の代表
 大阪市 無報酬  有識者、地域の代表 
*地域の代表とは自治会やまちづくり協議会などのメンバーを指します。

時給6000円の区民会議              

政令指定都市になったばかりの相模原は区民会議に報酬を出しています。一回当たり1万2600円です。これは裁判員裁判の日当が1万円以下であることを考えると高いような気がします。また、会議時間がおよそ二時間で時給換算すると6000円です。時給6000円は通訳や医者の時給です。その一方、市の出張所の清掃員作業員を時給818円で募集しています。時給818円は神奈川県の最低時給です。むしろ、区民会議にこの時給を適用したほうがいいように思えて仕方がありません。

ただ、時給6000円は会議の時間だけで調査時間、準備時間は含まれていません。それでも、ほかの政令市と比較すると、その額は異常です。ちなみの緑区の場合、区民会議の予算が年間300万円でそのほとんどが日当です。開催は年8回程度で、ソレイユさがみでおこなっていることが多いようです。傍聴もできますので、興味のある方は是非傍聴してみてください。

そして、今防災について議論しなければならない時期にもかかわらず、3月25日開催予定だった区民会議が震災の影響で中止になるという事態も起きています。何のためのまちづくりでしょうか?

区民会議とまちづくり会議            

相模原市はまちづくり会議と区民会議を分けて運営しています。まちづくり会議とはその名の通り、市民でまちづくりを考え、市と協働してまちづくりをする会議を指します。報酬は無報酬です。相模原市には22のまちづくり会議が存在しています。

まちづくり会議と区民会議の関係を示します。

ホームページより以下抜粋。

緑区には、橋本地区、大沢地区、城山地区、津久井地区、相模湖地区、藤野地区の6地区があります。区全体のまちづくりは、区役所が、各地区のまちづくりは、まちづくりセンターを拠点として進められます(橋本地区のまちづくりセンター機能は、緑区役所が担当します。)。
区のまちづくりの方向性などを話し合う区民会議、地区の課題の話し合いや課題解決に向け取り組むまちづくり会議とともに、区役所に配置する区長、まちづくりセンターに配置するまちづくりセンター所長、地域政策担当などの職員が協働して、区の個性や特徴を活かしたまちづくりを進めていきます。

以上になります。
この図で考えると、まちづくり会議は直接市長に対してものが言えません。そもそも、市民で運営される組織が二つも必要なのかが疑問です。むしろ、まちづくり会議を区民会議に組み込み、部会にすればいいのでないでしょうか?

区民会議での議事録からの抜粋で、このように発言された委員がいます。
「テーマ選定については、各まちづくり会議では、地域の実情に応じたテーマについて検討している。そのうえに、更にテーマを上乗せするのであれば、時間的にも対応が難しいと思う。まちづくり会議で検討しているテーマと重なるようなテーマ選定が望まれる。」
まちづくり会議と重なるものならば、わざわざ、区民会議でやる必要があるのでしょうか。
「まちづくり会議では、様々な課題に対する検討を行っており、区ビジョンの実現化にも結びつくものである。したがって、まちづくり会議での検討状況を、区民会議で取り上げ、予算獲得などの支援やプロジェクトが進むような助言など、側面的な支援についても考えていただきたい。」という委員もいました。
あくまでも区長に対して、諮問するという立場なので予算を獲得するというのは、的を得ていない気がします。また、新たな利権の温床とも取られかねない

南区区民ミーティング        

南区では、普段、「地域やまちづくり」について語る機会がない人に、参加をお願いし、「南区への思い」を語ってもらう取り組みとして、9月25日(日曜日)に「南区区民ミーティング」を開催いたします。
このため、7月下旬〜8月上旬にかけて、無作為抽出した3,000人の区民の皆さん(16歳以上)に「参加のお願い」の通知を発送します。区民の皆さんのご協力をお願いします。(市ホームページより抜粋)

この無作為抽出した南区区民ミーティングは市民討議会とも呼ばれ、導入をしている自治体もあります。静岡市の場合、一回の報酬が5000円です。この場合、無作為で抽出するわけですから、参加するインセンティブを与えなければ、そもそも参加する人が限られ、広く市民の意見を聴くという目的から離れる可能性があります。また、報酬を貰えることで、課題に対してより真剣に議論されることも考えられます。

残念ながら、今回の相模原市のケースでは報酬は支払われません。区民会議に一回12600円もの報酬を支払っているのに、普段、「地域やまちづくり」について語る機会がない人には無報酬で議論をしてくれと都合のいいお願いをしているように思えて仕方がありません。

 

区民会議のあり方を考える

他市と比較すると高額な報酬を貰っている区民会議ですが、報酬よりも大きな問題があります。それは、多額の報酬を貰っているので、区民会議の中で市に対して反対する意見ができにくい雰囲気になり、市の意向に沿うような形で意見が集約され、区民の意見として市の政策に反映される可能性があります。実際はそうでなくても、そのような誤解を抱かせること自体が問題で、区民会議の信頼性が損なわれることになります。
ですから、報酬の削減、区民会議のあり方を考える必要があると思います。上越市では、全員公募の区民会議があり、定員を上回る応募があった場合、選挙を行います。しかも、その区民会議は無報酬です。静岡では、住民を無作為に選んで市のことについて話し合う会議も存在します。

相模原はかつてさがみっぱらと言われた時代がありました。台地には水もなく、ふきっさらしで、追剥もでたという昔話も聞きます。そうした相模原をこのような立派な都市にしたのは、自分が住んでいるところをよりよくしようという多くの方々の思いがあったからこそです。まさに、自分の住んでいるところは自分で決めるという地方自治の精神が如実に表れています。東北出身の方が消防団を作り、東京出身でヒッピーをやっていた人がさくらまつりの実行委員をやったり、様々な人たちのおかげで今の相模原市が出来ています。当然、彼ら、彼女らは決して報酬が目的ではありませんでした。ただ、自分が住んでいる町がよりよくなればいいという思いで活動された方です。また、市のまちづくりに大きな貢献をしている自治会は原則無報酬で、まちづくり会議も総務省の答申により無報酬です。

しかし、今区民会議に象徴されるように、一部の既得権益が生まれつつあります。この既得権益は相模原にとってよくないものになると私は確信しています。みなさんの声があれば、必ずこの区民会議のあり方を変えることが出来ます。区民会議の改革が出来れば、本丸である議会制度の改革も不可能ではありません。みなさんの協力をお願いします。




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